ウェルビーイングに関する調査
調査概要(インターネット調査)
〇調査目的 | 誰もが生きがいを感じ、自分らしく暮らしていける「新時代の北九州市」を目指すため、市民に対してアンケート調査を実施し、今後の行政施策の検討・立案の際の基礎的資料とする。 |
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〇調査時期 | 2024年7月11日(木)~18日(木) |
〇調査地域 | 北九州市、東京23区、札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、相模原市、新潟市、静岡市、浜松市、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、神戸市、岡山市、広島市、福岡市、熊本市 |
〇対象者 | 上記地域に居住する15歳以上の男女個人 |
〇標本抽出法 | 調査会社のインターネット調査モニターより抽出 |
〇調査方法 | インターネット調査 |
〇有効標本数 | 5,055サンプル |
N(n):回答した人の人数
SA:単一回答(回答を1つ選ぶ質問形式)
MA:複数回答(複数の回答を選ぶ質問形式)
『あなたはいま幸せですか?』北九州市民の幸福度
ウェルビーイングとは、『「身体だけではなく、精神面、社会面も含めた健康」これによって幸福度を向上させる取り組み』と言えます。そこで、今回のアンケートでは先ず「あなたはいま現在幸せだと感じていますか」とお聞きしました。
北九州市全体では「幸せだと感じている」は14.3%、「やや幸せだと感じている」40.0%で合わせた「幸福度」は54.3%で半数を超えています。
しかし、このスコアは他地区計(東京23区と北九州市以外の政令指定都市19都市、計20都市の合計:以下同様)の57.6%をやや下回っていますが、人は社会的な存在ですから、どうしても自分と他人を比べてしまいます。ですから、幸福を感じている人が半数を超えている社会は健全なものであると言えるのではないでしょうか。私たちはできるだけ多くの人に幸福への希望や展望を持ってもらうことが大切であると考えています。
性別では、女性の方が男性よりもスコアが高く、年代別では男女共に30・40代で低く、高齢ほど高くなっています。特に女性にその傾向が強く、北九州市全体が54.3%であるのに対し、女性60代では66.9%、70歳以上では72.8%になっています。
高齢者の幸福度が高いことは良いことですが、働き盛りでいわゆる「子育て世代」である30・40代の幸福度が低いことは、社会の活力という点で望ましいことではないでしょう。どうすればこれらの人達がより幸福を感じる社会にできるのか考えていきたいと思っています。
生活満足度
~最も満足度が高いのは「住宅」、次いで「身の周りの安全」~
14の項目について、いまどの程度満足しているかをお聞きしました。
北九州市全体で最も満足度(「満足している」+「どちらかと言えば、満足している」)が高かったのが「住宅」の47.0%で、次いで「身の周りの安全」45.8%、「公共交通機関の充実」43.5%、「生活の楽しさ・面白さ」41.2%などとなっています。
かつては治安について取りざたされることもありましたが、今の北九州市は、市民にとって身の回りの安全に対する満足度が高い街になったようです。
幸福に暮らすために重要なこと
~「健康状態」、次いで「家計と資産」~
「あなたが、身体的・精神的・社会的に満たされ、幸せに暮らし続けていくために、重要だと思うことがらをいくつでも選んでお答えください」とお聞きしたところ、北九州市全体では「健康状態」が77.5%で最も高く、次いで「家計と資産」73.4%、「生活の楽しさ・面白さ」54.7%が続いています。北九州市全体と他地区計に特に大きな差は見られません。
ウェルビーイングを市の施策目標とすることに
賛成の市民は36.7%、否定的な意見は6.4%に過ぎません
北九州市がウェルビーイングを施策のコンセプトや目標とすることについてお聞きしたところ、北九州市全体では「良いことだと思う」10.5%「どちらかと言えば、良いことだと思う」26.2%で、合わせて36.7%の人が賛成しています。「どちらかと言えば、良いこととは思えない」は4.5%「良いこととは思えない」は1.9%で否定的な意見は6.4%にすぎません。
北九州市の中・高校生の幸福度は58.5%
幸せのポイントは「自由」「友達」「推し活」「寝ること」
中学生と高校生・高専生のお子様をお持ちの調査対象者の方に、お子様に回答をしてもらうことをお願いして、北九州市の中高校生が幸福について考えていることをお聞きしました。
幸福度(「幸せだと感じている」+「やや幸せだと感じている」)は58.5%で、「あまり幸せだと感じていない」は9.0%「幸せだと感じていない」1.8%です。
中高生が幸福と感じるときは、「自由な時間がある時」が72.1%で最も高く、次いで「友達と過ごす時間」53.2%、「趣味や『推しごと』『推し活』などをしている時」39.6%、「寝ている時」37.8%、「勉強やテストで良い成績を取れた時」35.1%、「家族と過ごす時間」33.3%となっていて、『自由』『友達・家族』『推し活』『達成感』『癒し』などがキーワードのようです。
逆に、不安を感じたり嫌な思いをしたことは「勉強やテストでの成績が悪かった時」47.7%、「自由な時間が奪われた時」39.6%、「学校での授業」29.7%、「自分の体の健康状態が良くない時」23.4%、「自分の心の健康状態が良くない時」22.5%、「人から馬鹿にされたり軽く扱われた時」21.6%、「趣味や『推しごと』『推し活』などをを制限されたり禁止されたりした時」18.9%、「友達との関係」18.9%、「スポーツなどで良い記録が悪かったり試合に負けた時」17.1%、などとなっています。
コミュニティ ウェルビーイング
ウェルビーイングの5つの領域の一つである、「コミュニティ ウェルビーイング:地域とつながっていると感じられている」の視点から、北九州市のシンボルと、主要なインフラ整備について市民の意見をお聞きしました。
〇「北九州市のシンボル」1位は「皿倉山」
「あなたにとっての、心のよりどころだったり誇りを感じるものを、3つまで山や川や地名や施設の具体的な名称でお答えください」という質問を設けて、「北九州市のシンボル」を探ってみました。
結果、1位は2位に倍以上のスコアを付けた「皿倉山」でした。
各区別のランキングを見ると、身近にあって目にする機会が多いものが上位に挙げられている傾向があるようです。ですから北九州市内のほとんどの場所から見ることが出来る皿倉山がトップになったのかもしれません。
〇北九州空港滑走路延伸には84.5%、
下関北九州道路には74.4%の市民がポジティブな意見を寄せています
<北九州空港>
北九州空港の滑走路延伸工事に対しては、84.5%の人がポジティブな意見を寄せています。
うち最も多いのが、「北九州の物流を中心とした経済の活性化につながると思う」(57.7%)で、次いで「北九州市の新しいシンボルになるような立派な空港にして欲しい」(34.9%)、「北九州市民や近隣の地域の人の生活が便利になる」(28.0%)、「インバウンドや観光客誘致の増加につながると思う」(27.5%)、「ターミナルや周辺の施設や環境も整備し、行楽やドライブコースとして親しまれる空港にして欲しい 」(27.1%)などとなっていて、延伸による経済効果に多くの期待が寄せられています。
<下関北九州道路>
74.4%の市民が建設を支持しており、賛成意見のうち最も多いのが「北九州市と下関市の都心部が結ばれることで、既存の関門トンネル・関門橋と循環型の交通ネットワークが形成できる」(41.9%)で、次いで「災害時の関門トンネル・関門橋の代替路としての機能・役割を担うことができる」(39.9%)、「産業や物流が活性化される」(36.4%)、「市民の暮らしが便利になる」(33.7%)、「北九州市の新しいシンボルになりそう 」(28.8%)、「観光資源になる」(20.1%)、「その立派な橋を見てみたい」(16.1%)、「郷土のレガシーとして子供や孫の世代に残したい」(7.5%) となっており、交通ネットワークの形成・災害対応・経済効果に次いで、新しい郷土のシンボルとしての期待も寄せられています。
「この道路を作るメリットを感じない」との反対意見は12.2%にすぎません。
前述の「北九州市のシンボル」では「身近にあって目にする機会が多いもの」のポイントが高くなっています。ならば、日本最大級の吊り橋で、おそらく完成後は市内の多くの場所から見ることが出来る下関北九州道路の架橋が皿倉山に代わって新しい北九州市のシンボルになるかもしれません。